ビデオCD作成記
Exilim − LF-D560


Since H15.7.5

【2003.6/22】

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LF-D560JD 導入

 DVDビデオの作成というよりデータのバックアップ用にDVDドライブを購入した(2003.5.24)。
LF-D560JD  書換型DVDには、DVD−RW,DVD+RW,DVD−RAMなどいくつかの種類があって、まだまだいろんな方式が出てきそうで躊躇していたけど、データバックアップにはDVD−RAMが最適ではないかと、結局のところパナソニックの LF-D560JD (USB2.0 接続)にした。
 同シリーズのドライブで内蔵型IDE接続の LF-D521JD という選択もあったが、USB2.0接続であれば、速度的にも問題ないし、複数のパソコンで共用できると考えた。
 スペックとしては、DVD−RAM 2倍速(媒体4.7GB時)の他に、DVD−R 2倍速、DVD−RW 1倍速、DVD−ROM(R/RW読込) 12倍速、CD−R 12倍速、CD−RW 8倍速、CD−ROM/R 32倍速となっている。
 なお、DVD−RAMも媒体 2.6GBでは、1倍速(1385KB/s)となり、媒体密度で速度が異なることが分かる。また、CD−RW 8倍速というのは1200KB/sであり、DVDとCDでは倍速の基準となる速度が異なっていることも分かる。
 DVD−RAMの媒体の形状に関しては、CD−ROMと同じように、円盤が剥き出しのタイプとMOのようにカートリッジに格納されたまま利用するタイプがある。剥き出しタイプでも片面4.7GBの媒体であれば、それほど問題にならないが、DVD−RAMには両面 9.4GBという媒体があり、この場合、剥き出しタイプではラベル書きもできないし、出し入れ時にいっそうの注意が必要となりそう。
 機種の選定にメルコのDVD−RAM対応ドライブも検討したが、カートリッジタイプが使えないということで外れ。
 ちなみに、カートリッジタイプには、円盤が取り出せるタイプと格納されたまま取り出せないタイプがある。


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Windows98SE 事情

 USB2.0接続であれば、複数のパソコンで共用できると書いたが、LF-D560JD は、対応OSが限られている。
 Macintoshには対応しない。Windowsでは、98以降なら対応しているだろうと目論んでいたら、Windows98 では、付属ドライバー、付属ソフトのインストールさえできない。インストールの途中で弾かれてしまう。
 Windows98SE(Second Edition)以降でないと駄目なのだ。
 これまで Windows98 が SE でないことで特に不自由を感じたことはなかったので気にしていなかったが、どうやら、98と98SEは全く別物ということらしい。
 調べてみると、Windows98 の発売まもなく Windows98SE が出荷され、無償(手数料1000円というのは別として)でアップデートCDが配布されていた(過去形)。
 折りしも、Microsoft 社では、Windows95 のサポートを打ち切ったことは聞いていたが、Windows98SE のアップデートCDの配布まで打切られていた。
 幸い、知り合いにアップデートCDの所有者を見つけて、Windows98SE に変身できたということで、この問題は解決したことをお知らせしておこう。
 なお、通常使うパソコンは Windows2000 なので、この問題はなし。


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USB2.0/1.1 事情

 USB2.0ではデータ転送速度が 最大480Mbpsと高速であるが、この速度を享受できるのはマザーボードやコントローラが何であろうと Windows2000/XP だけで、Windows98/98SE/98ME では、USB1.1転送速度12Mbpsとなってしまうらしい。
 例えサードベンダーのUSBボードを導入しても事情は変らない。
 実は、メルコの IFC-USB2P5 というUSB2.0/1.1対応ボードを購入したのだが、ドライバーのインストール時に Windows2000/XP の場合にはインターネットを通して、Microsoft 社からUSB2.0ドライバーがインストールされ、WindowsME 以前(Windows95 は全く非対応)の場合には、メルコ製のUSB1.1ドライバーがインストールされる仕組みになっている。


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付属ソフトインストール

 パナソニックの LF-D560JD には、「DVD-RAM ドライバー」の他に、「B's Racorder GOLD5 BASIC」「B's CLiP5」「DVD-MovieAlbumSE 3」「MyDVD 3.5」「WinDVD 4」が付属する。
 CD−R/RW導入時にインストールしていた 「B's Racorder GOLD」 と「B's CLiP」 を削除して、全ての付属ソフトをインストールした。
 但し、「B's Racorder GOLD5 BASIC」 に関しては、確かCCDB検索がうまくいかなかったか、その機能がなかったこと、さらに有償で得た 「B's Racorder GOLD」 用のMP3解除キーによるMP3拡張機能の利用ができなくなってしまうなど、いくつかの理由で 「B's Racorder GOLD」 を復旧することにした。
 付属ソフトのインストール後、Panasonic のホームページに入ると、MyDVD 3.5 の無償バージョンアップ記事が眼に入った。早速 MyDVD 4 にバージョンアップした。
 まずはこの MyDVD を試してみた。(DVDをパソコンで扱うのは初体験)
 MyDVD は DVDビデオまたはビデオCDを手軽に作成するツール。静止画像ファイルや動画ファイルを取り込んでスライドショーやビデオ映像をCD−R/RWに書き込んで、DVDプレーヤーを使ってオリジナルメニューからランダムに選択して再生できる。


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いよいよビデオCDの作成

 手始めとして、長野県車山までの家族旅行で撮影した一連の写真と動画を時系列に表示するアルバムをビデオCDで作成する。写真と動画は全てカシオの EXILIM で撮影したもの。
 この程度のコンテンツなら、DVDでなくてCDでも十分に記録できるというよりCDでも余ってしまう。今やCD−Rメディアは十分に安く、どのようにでき上がるか何枚も試してみた。

 先ずは、MyDVD を起動。
MyDVD4 「DVD-Videoの作成」か「Video CDの作成」かを選択する。直接「DVD-Videoの作成」を起動することもできる。
 画面から、「Video CD プロジェクトの作成または修正」を選択する。

MyDVD4  作品の背景となる予定の空の画面とその周りには、いくつかのアイコンが現れる。
 どのボタンから選んでもよいが、左下にはCD−R/RWの容量 650MBか700MBかを選択するボタンがあり、 CD−R/RWの容量と使用量に応じてCD−R/RWを模した残容量計が表示されている。
 背景は「スタイルの編集」から変更できる。

 次に左側の「スライドショーの追加」というボタンをクリックすると「スライドショーの作成」というポップアップ画面が表示される。
MyDVD4  「ピクチャーの取得」により旅行の出発からの十数枚の写真を一気に取り込むと、全ての画像が表示順に縮小画として横一列に並んで表示される。
 画像が多くて表示しきれない画像はスクロールさせる。
 スライドショー選択・起動用のボタンは画像付きで、一連の写真の内から選ぶことができる。先頭の画像がボタンのデフォルトとして選ばれている。
 なぜか、先頭になるはずの画像は横に並んだ縮小画の最後部に置かれてしまっているので、マウスで先頭までドラッグして並び順を修正する。このあたりは直感的に操作できる。
 横に向いた写真はその場で回転して正しい向きに修正できる。
 最後に「OKボタン」で、背景となる画面に戻る。

MyDVD4  背景にはそのスライドショーを選択するための画像ボタンが配置され、ボタン番号と仮のタイトルがセットになって表示されている。仮のタイトルはマウスでクリックするだけで適当な名前に修正できる。
 スライドショーには音楽ファイルを貼り付けることで BGM を流すことができる。が、今はそこまではやらずにスライドショーがうまくいくか確認だけをする。

 次に「ムービーの取得」をクリックする。
 ここで EXILIM で撮影した動画ファイルを選択すると、背景画面には動画の先頭部分の映像がボタンとして配置されている。
 この動画を編集するには、その画像ボタンをダブルクリックする。
MyDVD4  編集用の画面には、開始フレームとして「先頭の画像」、「ボタン画像」、終了フレームとして「最終の画像」が縮小画として表示され、その下に「編集バー」が表示される。バーに置かれた「緑のスライダー」をドラッグすることで開始フレームを変更し、「赤のスライダー」をドラッグすることで終了フレームを変更する。スライダーの前後をカットして表示したい場面だけを残すことができる。「手のスライダー」をドラッグすることにより画像が切り替わり確認しながらボタン画像を変更する。
 これで編集は終了。
 プレビューボタンを押せば、仕上がりの開始画面が表示されDVDプレーヤーのリモコンを模した1番ボタンをクリックすることでスライドショーが始まり、スライドショーが終わると、次の動画に自動的に移り動画が開始され全てのコンテンツを表示し終えると開始画面に戻る。
 今回はこれで「書込み」ボタンをクリックしてCD−Rに書き込むことにした。
 長々と書いたが、以上の操作は結構簡単で時間的にも短時間で終了した。


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DVDプレーヤーで確認

 でき上がったビデオCDをテレビに接続されたDVDプレーヤーに入れてみた。
TV  ワイドなテレビ画面に見事に再生された。明るく大きな画面で観る映像はパソコンのディスプレイでは味わえない雰囲気や迫力がある。拡大されるので、パソコン画面では気が付かなかった部分も確認できたりする。
 スライドショーは設定した5秒間隔で静止画が切り替わり、スライドショーが終了すると、次の動画の映像に移行する。
 動画の方はもともと解像度が荒いが、想像していたよりも綺麗に表示されている。
 ところが、その動画に録音された音声は、とんでもないことになっていた。
 動画の初めの部分で音声だけが倍速再生されてしまう。テープデッキの早送りでよく聞くあの高音のぺちゃくちゃいう声だ。その後に残りの動画が無音で続く。
 この件について MyDVD 提供もとのソニック・サポートセンターに問い合わせたところ、
「デジタルカメラで作成された動画は、通常の動画より映像のフレーム数が少なく、正規の動画ではありません。MyDVDでは、デジタルカメラで作成された動画をサポートしておりませんのでご了承ください。」
との返事をいただいた。
 仕様外ということなので仕方ない。

 しかし、音声が全く入らないとか画像さえ扱えないというならともかく、動画が正常に表示され一応音も出るのだから何とかなるのではないか。
 実はこれが何とかなったのである。


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EXILIM について

 所有するカシオの EXILIM は、同シリーズの初期の製品で有効画素数 124万画素で、音声の録音、MP3ファイル再生可能な機能を持つ EX-M1 という機種になる。音声機能を持たない機種は EX-S1 という。その後に発売された200万画素の製品は EX-S2/EX-M2 となる。
EX-M2  近頃は携帯電話でも百万画素が登場するなど、小型軽量という面での価値は若干薄らいだ感もあるが、名刺サイズ、12mmほどの薄さ、ポケットから取り出して、瞬時に撮影モードに入れるというのは重宝する。
 撮影には関係ないがオーディオプレーヤー関連の仕様は
 MP3(MPEG-1 Audio Layer-3)
 サンプリング周波数:32 / 44.1 / 48 kHz
 ビットレート:32 〜 320kbps VBR対応
 最大出力:9mW + 9mW(16オーム)
 動画のフォーマットは、AVI(Mortion JPG) 320x240pixels 音声 WAV とある。
 今回の問題は AVI(Mortion JPG) の再生映像と音声 WAV とが同期していないということになる。
 こうした問題を専門に極めるのは難しいが、たまたま雑誌 PC Japan 6月号(2003)P.86 以降の動画に関する記事に解決の糸口があった。以降の記述は、それを参考にしている。


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AVIファイルの問題

 MyDVD の Help によるとサポートするビデオフォーマットは、

 オーディオフォーマットは、  VCD で最高のフレームサイズ  DVD で最高のフレームサイズ  これを見ると EX-M1 のAVIファイルも MyDVD に対応していそうに思えるが、AVI形式というのはJPEG−1形式などと異なり、多数のコーデックが存在し、Windows が標準で搭載していないコーデックも多数存在し、再生トラブルの大部分を占めているらしい。
AVI形式やWAVE形式というのは、映像や音声などの異なるデータをひとつのファイルに収めるためのマイクロソフトが定めたRIFFというフォーマットに沿っているというだけで、データ部のエンコード方式は問われないというものらしい。

 ならば、EX-M1 のAVIファイルをMPEGファイルに変換してから MyDVD に取り込めばうまくいくのではないか。それを実現しそうなソフトが TMPGEnc というエンコードソフト。

 TMPGEnc をインストールし起動すると 「プロジェクトウィザード」が開始される。
TMPGEnc  ツリー状の選択肢から「ビデオCD」−「NTSC」を選ぶ。解像度352x240 29.97fpsのMPEG−1ファイルの標準的なCD−Video規格である。
 次に「映像ファイル」という欄から「参照」ボタンをクリックすることで、EX-M1 の変換したいAVIファイルを選ぶ。
 ところが、ここで「ファイル"F:\AviFiles\kk0000.AVI"は開けないか、サポートしていません」と言われてはねられてしまう。
ここは一旦「キャンセル」して、メイン画面に戻る(入る)。

 メニューの「設定」−「環境設定」には「VFAPIプラグイン」というタブがある。
 ここには標準のプラグインが一覧表示されているが、予め優先度が設定されている。
TMPGEnc  前出の PC Japan の記事に「Windows Media Player では再生できるのに、TMPGEnc で読み込めないという AVI ファイルの場合、DirectShow Multimedia File Reader の優先順位を上げると解決することがある」とある。
 優先順位を上げる方法は明示されていなかったが、一覧のプラグインの中から「DirectShow Multimedia File Reader」をマウスで右クリックすると、ポップアップメニューに「優先度を上げる」という項目が現れる。
 「-1」であった優先度が「0」に上がったが、状況は変らず AVIファイルはまだ読み込めない。
 念のために、再度、優先度を上げると優先度が「1」になり、全プラグインの先頭に移動した。
 これでやっとAVIファイルを読み込むことができた。

 一覧にあるのに優先度が最上位にないと認識されないというのもちょっと解せない気もするが、こうして解決したのでよしとする。

TMPGEnc  メイン画面の「映像ソース」という欄から、EX-M1 の変換したいAVIファイルを選ぶと、ファイルには音声も格納されているので「音声ソース」の欄にも同じファイル名が選択表示される。
 さらに、「出力ファイル名」を指定して完了する。通常は拡張子が(.avi から .mpg に)変るので、特にファイル名を書き換えなくてもいい。

 最後に、「圧縮開始」をクリックすると3.832KB 30秒のAVIファイルが5.148KBのMPGファイルに変換された。
Pentium4 2.8GHz で Hyper-Threading を有効にした環境下で計測したところ、1分10秒で完了した。
 この変換されたMPGファイルを MyDVD に取り込めば、画像と同期の取れた音声が再生されるはずである。というより実際に、これでうまくいった。


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ビデオCDの完成

 ここまで確認したところで、アルバムの最終作成に入る。
 MyDVD により作成した前回のプロジェクトを呼び出して、その続きから始めることができる。
 スライドショーにBGMを流すようにできれば、目標が達成されたことになる。
 既に配置されているスライドショーのボタンをダブルクリックすると「スライドショーの作成」画面に入る。
BGM  ここで「設定」をクリックすると、さらにオーディオトラック(音声ファイル)を選択する画面に入る。

 ここでBGMにしたいWAVEファイルやMP3ファイルなどを選択すればでき上がる。だが、音楽の方が短いと音楽は途中で終わり、長いとスライドの終了とともに音楽も突然ストップしてしまう。
 音楽の長さに合わせてスライドの切り替え時間を調整する機能もあるが、余りに時間差がある場合には映像が間延びして面白くない。
 できればMP3を編集して適当な長さに調整したり、フェードイン、フェードアウトも自由に設定したい。

 音声の前後をカットして長さを編集するには Windows のアクセサリにあるサウンドレコーダが使える。
 ただし、以前リッピングしたMP3があるので、これを編集したいところだけど、サウンドレコーダーはMP3を扱えない。
 扱えるのはWAVEだけなので、CD−ROMから改めてリッピングすることにした。

 スライドショーよりも長めのクラシックをリッピングしてWAVEファイルを作成した。
 そのWAVEファイルをスライドショーの長さ(5秒x枚数)にあわせ、曲が自然に始まる(ように感じる)部分の手前をカットし、自然に終わる(ように感じる)部分までを残し以降をカットするという方法で、各スライドショー毎にWAVEファイルを作成した。
 ここまでの準備ができればBGM付きスライドショーは簡単に完成する。

VCD完成
 写真(静止画)168枚、30秒の動画4本、それでも ビデオCDに占める容量は150MB程度。時間にして20分程度。まだCD−Rに登録できる容量の3分の1に過ぎない。
 DVDビデオに比べて保存できる解像度は違うかもしれないが、写真のアルバムをメインに作成するならビデオCDで十分に使えるということを改めて確認した。


 アルバムといえばサービスサイズの写真をまさにアルバムの台帳に貼って残すというのが、伝統的な方法であるが、デジカメで撮った写真はどうなるか。
TV
 パソコンにJPGファイルのまま残すというのもひとつの方法かもしれないが、パソコンの前でひとりだけで見るという形態になってしまいそう。

 今回の試みのように、デジカメ写真だけでなく動画も合わせてDVDなりCDに保存すれば、テレビの前で家族全員で楽しむことができる。これからの新しいアルバムの形態になっていくのではないだろうか。


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